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詩と小説
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 理緒と一緒だと不思議と時間は穏やかだった。相変わらず理緒は難しいことを考えていたし、僕のほしい言葉をくれることはなかったけど、いつの間にかそれでもいいと思うようになった。友人達は不思議そうな顔して「よく付き合ってられるな」と言っていたけど、理緒と一緒なら何を言われようとも気にならなかった。
季節は冬になっていた。イベントが目白押しの冬だ。だけど、期待はしていない。世の中がいくら浮かれていようとも、彼女は流されることが嫌いだ。僕としては少しは流されてもいいと思うし、なにより僕自身がかなり流されやすい。
「冬休みが明けたらテストだね」
 どうやら彼女は僕とは全く別のことを考えていたようだ。
「まだ一カ月以上も先のことじゃん」
「そんなこと言ってるから前期に大して単位取れなかったのよ。もっと先のこと考えて行動できないの」
「できたら苦労しないね。まぁなんとかなるでしょ。まだ1年だし」
「これじゃ就職はおろか卒業も危ういね」
「卒業できないのは嫌だな。理緒の袴姿が見れない」
「着ないから。動きにくいし。それに留年決定でも卒業式の日に学校行ったら袴姿の可愛い女の子がたくさんいるじゃない」
「そういうことじゃなくて。理緒と一緒に卒業したいの」
 できるだけ一緒にいたい。ささやかな願いだ。それは叶わぬ願いだった。変わらないと思っていた日常が突然変化して、終わってしまうとは思ってなかった。
 
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